超魚会2013小笠原遠征記
Gantiss作
■海況調査
2013年は台風発生数が記録的に多く当初予定していた9月14日出発は台風18号の関東直撃でおがさわら丸が欠航となり、約1ヶ月延期した10月10日出発に変更した。
延期したものの母島到着2日目には台風26号が発生し、果たして磯に出れるか微妙な状況で、出発前数日はいくつもの予報サイトで台風の進路をチェックしては一喜一憂した。
とりあえず10月10日の小笠原までの航路は穏やかで、母島到着翌日も東寄りの波高さ3m風速10m/s程度の予報であることから、風裏の西側の磯で1日は釣りができるとの期待で出発した。
■出発
ぎりぎりまで天気予報チェックや準備でエネルギーを使い過ぎて出発の朝すでに疲れていた。
竹芝桟橋に8時に到着、やはり台風接近予報でおがさわら丸の乗客はそれほど多くはない。
皆の顔を見ると元気になる。 子供のようなオッサンの笑顔
レインボーブリッジを通過いよいよ東京を離れる
2等船室満席ではないが狭く25時間半は長い!
父島まであと1時間あまり、コバルトブルーの海に感動
■いよいよ小笠原
父島到着後、おがさわら丸をバックに撮った集合写真で参加メンバー紹介
向かって右側3名がうさぎさんチーム、左側がくまさんチームの2チーム編成。
前列、左側から大鵬さん、姫島さんは小笠原経験豊富の大ベテラン。
後列左は今回初参加・入会の腰痛さん(むごくも初日にギックリ腰発症でこのハンドルネームに)、初小笠原のGantiss、小笠原数回経験の夜光さんと右端はやはり今回初参加・入会のパル淡さん、
父島を出発、母島丸で2時間10分
もうすぐ母島、途中うねり2~3m、風速は10m/sを越えているようだったが、母島の尾根に守られ西側の海は静かだ!
母島に到着後、日暮れまで時間がないので宿にも寄らず、装備を積み込み急いで出港
お世話になった森船長、私と同じ歳、サングラスが良く似合う カッコイイ!
うさぎさんチーム渡礁の母島西側のはなれ
うさぎさんチームから約1kmのくまさんチーム渡礁の母島西側のはなれ
この傾斜地で夜寝るのは厳しかった。縦に3人だんだん下にズレルので上の人の足で下の人の頭を・・・
■釣りスタート
うさぎさんチーム、くまさんチームもサメの入れ食い ササヨに食付いて上がってきたサメの廻りにもサメがウヨウヨ
サメに食われたササヨ タックルは姫島さん作自慢のlove Fish板ばね
大鵬さんの大鵬200号、磯ハンター120号、PENN16/0のタックルにかかった1mぐらいのサメ
これぐらのサイズだと穂先がちょっと振れる程度 あまりのヘビータックルに唖然!
暮れてまもなく腰痛さんのカニエサを付けた石鯛竿が海面に突き刺さる!
約70cmのフエダイキャッチ!
ここで、数日前仕事で痛めた腰がギックリ、記念撮影後力尽きてゲームセットとなってしまった。
翌日、宿で身長180cm超の大鵬さんがやはり180cm超、100kgの腰痛さんの腰にシップ薬貼ったとのこと。
腰痛さん、ほろ苦すぎる小笠原デビューとなり、硬くリベンジを誓っている。
パル淡さん、ルアー竿にエサ付けて黒カッポレキャッチ
パル淡さん、明けて黒カッポレを手際よくさばいて皆にふるまう。 美味しかったそうだ。
夜光さんに1m超のバラフエダイ
2日目の夕方、Gantissにコクハンアラ114cm 15kg ラッキー!!
前夜のサメの入れ食いと昼間のルアー釣りですっかり疲れ果てていた。
2日目はエサを投入するもサメの気配なし、しばらく沈黙の後、Gantissのがまクエ70号の穂先が海面に突きささり、鳴きバネからいい音が出ている。
またサメか?
と思ったが、底方向にトルクのある引き。
数分のやりとりの後、大鵬さんにリーダー持って抜き上げてもらった。
固定竿で大物釣り始めて3年目の初釣果! 嬉しい!!
翌朝の回収まで時間があるので、リリースしたが悔いはなかった。
■沖磯でのルアー
パル淡さんとGantissは2日目の朝から夕方まで幸運にも母島西にある超1級の沖磯に渡礁できた。
ここは、高さは5mに満たないので相当の凪ぎでないと乗れない磯で、まさか台風接近を前に渡礁できるとは思っていなかった。
小笠原の南西を進む台風26号で沖は東寄りの強風と高いうねりがあるが、母島の高い尾根で風と波がさえぎられた結果のようだ。
さすがに超1級磯だ。 ルアーへの活性は高い、頻繁にチェイス、バイトがある。
パル淡さんは普段淡水魚のルアー釣りをしているとのことでキャスティング、ルアー操作はGantissとは比較にならないぐらいうまい。
Gantissは昨年、遅ればせながらルアー釣りに目覚め約1年間キャスティングトレーニングと体幹トレーニングを積んで今回が6月のトカラに続き2回目のルアー釣りだ。
普通ルアーはブラックバスに始まり、スズキ、ヒラマサとステップアップするのだが、Gantissは年令から見て先行きせいぜい数年なので無謀にもいきなりGT狙いだ。
果たしてこんな初心者が超1級の小笠原の磯に立つ資格があるのか・・・? 当然ないよなーと自問自答したが実現してしまった。
まず、パル淡さんがギンガメアジ、カスミアジを手際良くキャッチ。
その後、パル淡さんに大型GTがヒット!
しばらくファイトするも惜しくもラインブレーク。
Gantissも磯際、目の前で大型GTがルアーをひったくり一気に走る。
レバードラッグをいっぱいの15kgまで締めて100mぐらいでなんとかファーストランが止まる。
しかし、道糸が根ズレているいやな感触。 慎重に回収してあと10数メートルのところでリフトアップしようとしたが、足元のテラスエッジに擦れてラインブレーク!
一瞬捕れた! と思った後なので全身の力が抜けその場にヘタリ込んでしまった。
やはりリフトアップ時には思い切って磯際に降りてテラスエッジをかわさなければなければいけなかったと反省。
気を取り直して仕掛けを作り直おし、キャスティングを再開後、1時間程で再び大きな当たり。
今度はもの凄いスピードで沖に向かって走る。やはり100mぐらいでファーストランが止まる。
慎重に回収するもハエ根に回られそうなところでなんとかリフトアップ、パル淡さんの的確なアドバイスとアシストのおかげでキハダマグロ117cm, 18kgをキャッチ!!
初キハダとても嬉しい!! 鼻の穴が膨らんでしまった!
このお魚は翌日、宿でおいしくいただきました。
■島内観光そして帰路に
母島3日目の海は多少うねりが大きくなってきたもののまだ釣りはできそうな状況であった。
しかし、台風26号接近で、島の船は台風に備えて陸上げするとのことで予定より1日早く釣りを切り上げることになった。
東京出発時の天気予報では3日目、台風接近でおがさわら丸は1日早出の可能性が高かったが、予報がいい方に外れ、おがさわ丸の出港は予定どおりとなり、大鵬さんの案内で世界自然遺産の母島を観光できることになった。
腰痛さんもだいぶ回復して一緒に島内観光へ。
大鵬さんは行き帰りの船、釣り場で、宿でプシュ! プシュ!とビールを合計数十本、釣りのタックルも桁外れにデッカイがビールの量も桁外れだ。
母島北側の旧日本軍の高射砲や小学校跡を観光 今も太平洋戦争の名残を感じる。
母島北側は人家はもちろん街燈もなく雨の日や夜は一人で行くのはだいぶ勇気がいる。
母島北港からの眺め、 左側先端が1級磯の乾崎だ
お世話になった民宿 つき
母島出発の朝、台風26号が迫り、すでに雨に、雲の動きも早くなっていた。
父島二見港でのおがさわら丸のお見送り これを見ると誰もがまた小笠原に来たくなる。
帰路のおがさわら丸は台風26号に追われ、南南東風波の大時化の中、竹芝桟橋に無事到着。
翌日、台風26号が関東沖を通過して、ギリギリ逃げ切り成功!
■おわりに
観測史上最高の台風発生数の台風シーズン中、幸運にも磯で凪ぎに恵まれ、釣果にも恵まれた。
今回は夜、固定竿での大物釣り、昼にルアー釣りと欲張った計画と装備であったが、やはり両方は体力的に厳しい。
昼の沖磯でのルアー釣りの時、睡眠不足で疲れが残っていると集中力低下で反射神経が鈍るので大物ルアー釣りは安全上厳しいと感じた。
大物釣り3年目の初心者である私に皆さん親切に接していただき、本当に楽しい遠征となった。
特に大鵬さんには大物竿でのキャスティングの安全面での注意事項、ルーチンワークについて指導いただき感謝している。 次回からはご心配かけないよう心掛けます。
来年も小笠原遠征にぜひ参加したい。
「 動画、暇な人は見て下さい 大鵬作 」