2009年 トカラ遠征

 
作 うつぼ伍長


5月18日(月)から23日(土)まで4泊6日のトカラ列島小宝島行ってきました。長期遠征のため参加者が思うように集まらずメンバーはF氏1名と私(うつぼ伍長)の計2名。内容的に厳しい釣行でしたが、その模様をお伝え致します。

5月18日(月)
13時発のANAで羽田より鹿児島空港へと出発。大阪から参加のF氏が到着するまで時間があるので空港内のショップでさつま揚げを購入。それを食べながら足湯に浸かりました。


 

幾つか食べたさつま揚げの中で個人的なオススメは「ネギ揚げ」。さつま揚げの濃厚な旨みとネギの風味が相性抜群、値段もお手頃で非常にGOOD。17時にF氏と合流しバスで南埠頭のフェリー乗り場へ。フェリー乗船後はF氏に夜のGT(ロウニンアジ)釣りに向いたルアー、ルアーアクション、釣れるタイミングやポイント、FGノットの簡単なやり方、、危険回避についてなど一通りの大物レクチャーをおこない、明日に期待を膨らませて早めの就寝としました。(興奮してなかなか寝付けませんでしたが・・・)

5月19日(火)
12時に小宝島に到着、宿泊先である湯泊荘で昼食をとった後はすぐに小宝島港に向いました。

 

私はライトタックルでアオリイカや小物を狙い、F氏は小物大物両方狙ってルアーを投げましたがチビアオリ以外は釣果は無し。トカラといえど昼間はさほど釣れないのは知っていたので落ち込む事もなく、一旦宿に戻り夜釣りの準備をして再出撃。しかし期待していたトビウオはチョロチョロ入ってくる程度でトカラ名物トビウオ掬いも不漁でした。

 

トビ掬いの人の厚意で貴重なトビウオをいただき、泳がせ釣りをするもののアタリすらない始末。そこでF氏と先端に向かいルアーをキャストしました。(F氏はGT初挑戦という事でこのとき私はロッドを置き、ヘルプに専念)するとF氏のポッパーに2連続で「ドガーン!!」という強烈なアタックが!!しかし残念ながらフッキングには至りませんでした。原因は恐らくルアーアクションが早すぎたため・・・夜GTではルアーをスローに動かすのが鉄則で事前に伝えておいたのですが、一般的なGT釣りのイメージでは激しく早くルアーを動かすものなので初心者の方はミスバイトを多発させやすいのです。水しぶきの大きさから見てなかなかのサイズと思われましたが、この後は残念ながらGTのアタックもなくこの日の釣りは終了。

5月20日(水)
眠気を押して昼の堤防に向うものの、海は残念ながら南にある前線の影響で南東風が吹いて荒れ気味。ミノープラグを投げ通してもアタリ無し。F氏の餌仕掛け(死餌)にもアタリ無く、風が収まる事を願い早々と撤収しました。夜8時頃堤防に向いましたが、南東風は依然強く好ポイントである港内は荒れてトビウオが寄り付かない状況。トビ掬いの人も匙を投げる状況でしたが根性で外海側をポッパーやペンシルで探るも、アタリ無く2日目も轟沈。意気消沈して宿へと戻りました。

5月21日(木)
この日の昼は地磯(リーフ)を一周釣歩いてみようと思い、お弁当を持って朝9時頃に出発。小宝島港から時計回りに海岸沿いのリーフを歩き、水深があるところを見つけたらルアーを投げ込んでいくというスタイルで攻めました。結果としては私のルアーに1回何者かのバイトがあったきり。今回は手探りの状況だったため結果は出ませんでしたが小宝島のリーフで効率良く釣るためのポイントに幾つか気付きました。

1、好ポイントは赤立神(小宝島港からみえる赤いとんがり岩)から城之前漁港にかけての東側に集中している。城之前漁港付近、湯泊温泉付近、大ブチ小ブチ(東側にある2個連なってる大岩)付近、赤立神付近に良い感じのポイントが多かった。
2、手前が浅いポイントが多いのでミノーよりもポッパーやフローティングペンシルなどの潜らないルアーのほうが攻めやすい。
3、干潮から上げ始めの短い時間がチャンスとなるのであまり移動を繰り返すより良いポイントで投げ続けたほうが確率は高そう。
4、ひざ下程度まで水に入った方が攻めやすいのでそれを前提とした服装が有利。

 

 

 

 

 

 

これらを考慮すればリーフからでも結果が出そうだなとは思いました。足元はさほど滑らなかったのでグリップの良い運動靴でも何とかなる感じでしたが、一部には滑るところもあったのでフェルトスパイクのシューズなどで行けば万全だろうと思います。余談ですが晴天のリーフを釣歩き、途中で海を見ながら食べたお弁当は最高の味でした。これは船や堤防からの釣りでは味わえない磯釣りならでわの魅力です。

リーフ一周後は宿に戻り休憩、装備を整えて夜の堤防へ。すると幸い南東風が北西風に変わり港内は凪。「これはトビウオが寄るぞ」と期待してルアーを投げるもトビは入らずアタリも無し。F氏の餌仕掛に2kgも無い小さなカスミアジがヒットしたのみ。

 

さらに前線通過の影響で激しい雨が降り昼間にリーフを歩いた疲れもあって精神的にも肉体的にも厳しい状況でした。時計で潮周りを確認したところ、潮は下げ止まり前だったので決断をしました。「もうすぐ下げ止まりです。おそらくトビウオは潮が上げ始める1時30分頃から入るはず。それまでは一旦宿で休憩して気力を充填しましょう」そう伝えて宿に戻り濡れて消耗した体を休めて2時間後に再出撃、運良くその頃には小雨に落ち着いていました。

期待を込めてルアーを投げていると2時頃にトビ掬いの人の水中ライトにかなりのトビウオが集り、直後「きたぁぁぁぁ!!」というF氏の叫び声と「ギィィィィ」というドラグの気持よい音が。早速駆けつけてサポートすると7〜8分後には海面に銀色の魚体・・・待望のGTです。サイズは15kg程度とGTとしてはさほど大きくはありませんでしたがGTが初めてのF氏には大喜びして頂けました。

 

どうもヒラアジ類はトビ掬いのライトと暗がりの境目に集まっているようで、今がチャンスとばかりに私もルアーを投げますが5〜6kgのギンガメアジとカスミアジがヒットするだけでGTのヒットには至らず4時頃にはトビウオも去りこの日の釣りは終了しました。

 

 

5月22日(金)
最終日という事で本番の夜に備えて昼は軽く下見程度の釣りに止め、その分夜は7時頃と早めに出撃しました。前日の好調を聞きつけトビ掬いの人も釣り人も大勢堤防に押しかけていましたがどちらも不振。前日に風向きが変わったので今晩は早くからトビウオが入るかもと期待していたのですが、どうやら昨日と同じ深夜の上げで入ってくるパターンのよう。予想通り夜の2時過ぎまではトビウオも大して入らずアタリも無い状態が続いていましたが、2時30分頃私のルアーに待望のヒット!!・・・が引きが明らかに弱い。上がってきたのは3kgあるかどうかの小さなギンガメアジでした。

 

 

しかし小さいながらもヒットがあったという事で、一時竿を置いていたF氏が奮起し一生懸命ルアーを投げていると「きたぁぁぁぁ!!」という大きな声が。駆け寄るとなかなか大きな竿の曲がり。海面を照らすと10kgあるかないかのGTのようですが、ギャフを掛けて引き上げると肉厚でGTと見紛う体型をした立派なカスミアジ。カスミアジは同じサイズならGTよりもずっと引きが強い魚で、強烈な引きにも納得。その後トビ掬いの人の近くを20kgサイズのGTが通ったりもありましたが、ヒットには至らず納竿としました。

 

5月23日(土)
フェリーで奄美まで行き、そこから飛行機でF氏は伊丹へ、私は羽田へと向かい合計6日間の遠征は終了しました。結局4日間の釣りでGT1匹のみとトカラとしては貧果に終わりましたが、F氏になんとか初GTを釣り上げてもらえた事と厳しい状況下で持てる知識をフル稼働して釣れるタイミングやルアーを計算し、サポート役として尽力できた事は嬉しく思います。

小宝島はリーフに囲まれた島で全体的に水深が浅く餌釣りで挑むには小宝島港でやるか40m程度投げられる仕掛が必要で、固定式の100号竿巨魚スタイルでの釣行は難しい島でした。しかし、島の人に聞くと干潮時に大ブチ小ブチに渡るとその様な釣りも可能との事。(ただし次の干潮まで帰れないですが・・・)いつかトカラ各島の港に車止めが付いてくれたらなぁ・・・などと思います。