「トカラ列島平島釣行記」 作 うつぼ伍長
2006年6/16日
今日は念願のトカラ列島平島へと出陣日。
トビウオの時期に合わせて長期休暇が取れる事など滅多に無いので
次にトカラに赴けるのは何時になるやら分かりません。
当然ながら、気合は入りまくり!!
しかしながら、初日からイキナリ雨・・・気を取り直して羽田へと向かう。
1時間半ほどのフライトで鹿児島空港へと到着。
空港からさらにバスで鹿児島南埠頭へと。
フェリー出発(23:00)までまだ5時間以上もあるため、
周囲をぶらぶらと散策したり、待合所でトカラに行く人達とおしゃべり。
釣り客は私ともう1組ぐらいで、他の人は仕事か帰省のよう。
22:00から乗船開始となり、とりあえず食堂でビールを飲みながらサッカー観戦。
2等船室は伊豆諸島の東海汽船と似たような雰囲気ですが、
若干スペースが広く毛布が無料で付いているためチョットうれしいですね。
錦江湾から出ると船体の揺れが激しくなり、トカラに向かっているんだと実感。
6/17日
午前8時頃平島南の浜港に到着するも、暗雲立ち込め土砂降りの雨。
お世話になる「たいら荘」のご主人の車にさっさと乗り込みます。
「たいら荘」は島の総代である用沢さんの営む民宿で
たいら荘の壁には巨魚の魚拓や写真が山ほど!!
カジキ、イソマグロ、カンパチ、モロコ、etcetc。
その中でもある意味で一番驚いたのはイソマグロ59kgの魚拓。
釣り場はフェリー付き場の堤防なのですが、仕掛けがすごい。
竿:石鯛竿
リール:ダイワの5000番スピニング
糸:PE6号
ハリス:ナイロン22号
つり方:ムロアジの泳がせ
泳がせ釣りとしてはかなりのライトタックル!!
特にイソマグロは歯が鋭いので100号ナイロンハリスや
時にはケプラーでさえも切られるのに22号ハリスは神です。
昼には雨が上がったので堤防に行くと、巨魚狙いの人が3人(2組)。
みなさん、九州の方で時々トカラに訪れているらしいです。
若い一人で来ている男性は昼はルアーで夜はトビ餌のウキ釣り。
ロッド:改造石鯛竿(素体はカーボウィスカ小笠原24号?)
リール:セネター4/0W
道糸:PE12号
ハリス:ナイロン50号+PE12号12本編みでチモト強化。
2人組み(1人は巨魚初めてでもう一方はベテラン)の方は
ロッド:フルフィールドクエ480MH
リール:セネター12/0
道糸:ナイロン100号ぐらい
ハリス:不明
このタックルでエサはどちらもムロアジorトビウオでした。
トビウオが回ってきているときは夜中にトビウオを網で掬えば
簡単に活餌が確保できますが、トビウオが少ないときは
昼間にムロアジを釣って、大きな丸カゴで生かしとくそうです。
(夜はトビウオ以外に活餌となる魚が確保しずらい)
ちなみに私の仕掛けは・・・
ロッド:離島石鯛510、がま磯ガンティス
リール:ST16(TICA)、シーライン900
ライン:PE12号300m(ST16)、ナイロン35号400m(シーライン900)
ハリス:28番ワイヤとナイロン100号で
これで同じようにムロやトビウオの一匹掛けのウキ釣り。
雨の振る中、カッパを着てぶっ通しで釣りをしたものの、
大物のあたりは無く、たまにバラフエなどが掛かる程度。
ダレてしまい隣で一緒に釣りをしてた男性とおしゃべりモードw
3時半に納竿して、民宿に戻り、シャワーを浴びてスッキリ。
おかみさんが部屋にオニギリとつまみ(カッポレの燻製)、
あとタダで焼酎を置いててくれました。
ありがたや〜ありがたや。
余談ですが、焼酎って水割りよりもお湯割りの方が
まろやかになって美味しいみたいですね〜
(本に書いてあったので試したらその通りでした!!)
カッポレの燻製は鶏肉の燻製のようでGOOD!!
6/18日
朝方布団に入ったのでお昼に起床。
曇り空ですが、雨はほぼ上がった模様。
おかみさんが食事を運んできてくれましたが、
相変わらずのボリュームでおなか一杯。
大名竹のお味噌汁やオアカムロの刺身などに舌鼓を打ちます。
食後、エサになる魚を釣るために小物仕掛けで堤防へ。
ムロアジは釣れず、ダツを何匹か釣り上げる。
結構大きかった(80cm)ので、頭を落としてクーラーへ。
民宿で夕飯を食べて、夜釣りに出撃!!
昨日と同様で大物のアタリは無く、ポンカンをむしゃむしゃと
食べているとウキが大きく沈むアタリが・・・がヒットせず。
エサは昼に釣った大きなダツがぐしゃぐしゃに噛み潰されてました。
エサの潰れ方からすると残念ながらサメではなさそう・・・
アタリがあった時間は夜中の01:30分前後。
その後同じようなアタリが立て続けにあったがヒットせず。
何か食事をしてるときに限ってアタリが・・・うげ。
その後はアタリも無く、5時ごろに納竿。
例によって、焼酎を一杯やってふて寝です。
6/19日
若干雲が残ってるが、概ね天気は晴れ。
流石に疲れたので昼は民宿でゴロゴロして、夕方から釣りへ。
この日は良い潮(沖から堤防内に向かって差してくる潮)が来ているらしく、
大物が出るかもしれないよと地元の人に言われるが、
特にそれらしいアタリもなく時間が過ぎる。
しかし夜の01:30分を回ったあたりから状況が一変。
大トビ(40cm)を付けて居るにも関わらず、アタリがガンガン。
だが、餌が大きすぎるのか食い込みが悪くハリ掛かりしない。
切り身に変えると5kgくらいのギンガメアジやカスミアジがヒット。
大物釣りをはじめたばかりの時はこのサイズでもあわてたけど、
エイやサメを釣った経験が生きたのか、30秒と掛からず寄せられますた。
ここから1時間ぐらいの間に同じサイズが5匹ほど立て続けに釣れる!!
(釣り上げたのは5匹だけど、アタリはもっと多くてエサを入れると即アタリ)
3時近くになると急にギンガメのアタリが途絶えたので
「大物が来たかも」と思い、身エサから大トビの一尾掛けに切り替えて投入。
投入から5分と立たずにアタリ、一気にウキが沈んだので大トビをひと飲みにした様子。
今までとは明らかにサイズが違うと直感、足を踏ん張って体勢を整える。
やっとのチャンス、早合わせですっぽ抜けさせまいと糸を手で手繰って送り込む。
糸が15m程ズルズルと出たあたりで、レバードラグをストライク(6kg)に押し込む。
その瞬間凄まじい勢いで沖に走り出していった!!
6kgのドラグではまったく止める事が出来ないので、更に10kgまで押し込む!!
それでもまったく止まらずにおよそ100mほど糸を引き出されてしまう。
しかしそこで相手は一旦停止、ポンピングで巻こうとするが思うように巻けない。
体を後ろに思いっきり仰け反らせて竿を支えているのがやっと・・・
そうこうしている内に相手はまた沖に向かって猛烈に走り出した。
焦って手でスプールを無理やり止めようとするが親指を摩擦熱で火傷。
「ヤッベ」と思っていると、突然糸の出が止まり「バシン!!」
という破裂音とともに思いっきり転がり込んでしまいますた。
(後になって原因を調査したところ、糸がスプールに食い込んで切れた)
ボーゼンとしたまましばらく右手親指の火傷のあとを眺める。
その日はそれ以上竿を出す気になれず、そのまま民宿に帰って焼酎を煽る。
だけどアドレナリン全開状態でなかなか寝付けない。
6/20日
天気は快晴、明日の朝の便で帰るので今日が最終日。
12時頃に目が覚めて、食事のあとに出撃。
今日は最終日なので夕食は宿で取らずに弁当で済ませる事に。
5kgサイズは前日に十分楽しんだので、今日は身エサは使わずに
大トビの一匹掛けで終始押し通すことにしましたが・・・
前日同様潮の流れも良いらしく、巨魚の再来を期待したものの
朝まで何もアタリは無く無念の納竿。
最期の記念としてトカラヤギを散歩させていた女の子に
お願いしてカワイイ小ヤギの写真を一枚パチリ!!
トカラヤギは大人になっても柴犬よりちょっと大きいぐらいで、
子供はほんとネコぐらいの大きさでミーミー鳴いててキュート。
ここで諏訪瀬島へ会議に行っていた、たいら荘のご主人から連絡が・・・
「こっちはトビが異常なほど入ってきてるよ、
でもサメだらけでカッポレもイソマグロも逃げちゃってるよ〜」
これを聞いて、このまま諏訪瀬へいこうかとも
一瞬本気で考えましたが、泣く泣く諦めて帰りの船便に。
こうして念願のトカラ遠征は終了しますた。
目的の巨大鮫は釣れませんでしたが、3日目の夜にあった
あの巨大なアタリと凄まじい引きは強烈な思い出として残りました。
チャンスがあったら是非もう一度トカラにいってみたいです!!